ヒューマン・エラーとは、達成しようとした目標から意図せずに逸脱することとなった期待に反した人間の行動である。ヒューマン・エラーを無くすことは困難であり、体系的なやり方でプラスの影響を伸ばし、マイナスの影響を軽減するため、総合的、継続的、組織横断的なエラー・マネジメントが要求される。このように人間や周囲環境、医療機器等によるシステムから生じるヒューマン・エラーを低減・防止するには思いつきの対策ではなく、周囲環境、医療機器等の特性、それらを組織的要因から分析し、結果を検証したうえで対策を講じなければならない。この講義では、患者本位で安全・安心、安楽で質の高い医療提供を実践すべく、学問体系的に学ぶとともに、経験則・方法論から導き出された新たな実践手法を修得する。

ヒューマンファクター特論

九州大学大学院医学系学府環境社会医学専攻医療システム学教室医学博士課程単位修得退学、医療経営・管理学修士、Master of Public Health

救急救命センター勤務、医療安全管理部Patiens Safety Manager、公益財団法人日本医療機能評価機構付設医療事故防止センター初代医療事故防止事業課長、院長補佐など歴任。他大学「患者安全管理学」非常勤講師、日本ヒューマンファクター研究所研究主幹（医療安全担当）、ほか