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2019年度「卒業式(学位授与式)」学科別で開催

2020年3月20日、東亜大学では新型コロナウイルス感染防止のため学科ごとに時間と会場をわけ、卒業生と教職員だけが出席しての卒業式(学位授与式)を開催しました。


時代に先駆け社会を変革する

東亜大学学長 櫛田宏冶



新型コロナウィルス感染症の世界的な流行の影響を受けて、第43回東亜大学卒業式、大学院学位記授与式を中止することとなりました。晴れて卒業をむかえる皆さん、物心にわたるご支援をいただきました保護者の皆様のお気持ちを考えると、人生の門出となる式を催せないことは残念でなりません。

感染の予防に努めながら卒業式を開催する方策はないか、様々に検討を重ねてまいりました。しかしながら、3月4日に下関市内でも感染者が発生するなど、日々、新しい状況が生じていることから、苦渋の決断をするに至りました。

卒業式を開催することよりもさらに重要なことは、東亜大学を巣立った後に開かれている皆さんの新たな生活を健康に営むことだと考えます。安全を最優先する判断について、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。直接お祝いを申し上げられないことは残念ですが、書面にてお祝いのことばを伝えることにいたします。

奉仕の精神と国際性、友と生きることご卒業おめでとうございます。様々な試練と困難を乗り越え、この日を迎えられたことに、心から敬意を表します。大学院を修了された方、博士の学位を取得された方には、多様なお立場や環境にありながら、学術の基本を修め、自ら課題を掘り起こし、根気よく探求を行い、研究成果をまとめ上げられました。おめでとうございます。

旅立ちにあたり、いまいちど東亜大学の教育理念を思い起こしていただきたいと思います。「他人のために汗を流し、ひとつの技術を身につける(建学の理念)」「地域に生き、グローバルに考える」、「友と出会い、友と生きる」です。

まずは、人に信頼される人物に成長し、併せて高い専門職業技術を身につけ社会に貢献してください。時代の変化を読み、新しいことに積極的にチャレンジしていかなければ企業や組織は生き残っていけない時代となりました。皆さんへの社会の期待は大きいのです。奉仕の精神を忘れず、身につけた技術・技能を磨き続けてください。

今回の新型コロナウィルスの世界的な流行にたいして、世界保健機関(WHO)は感染がパンデミック状態になったと宣言しました。中国湖北省で最初の患者が確認されてからわずか3ヶ月のあいだにウィルスが世界の隅々にまで広がったのです。このことは、この病気の難しさと同時に、いかに人々が活発に国境をまたいで行き来しているかを示しています。世界は小さくなったのです。感染の広がりに対して、自国民の保護を理由とした海外からの入国制限を設ける国々が急増しています。しかしこれは一時的な措置に過ぎません。現代社会にあっては、どの国も、諸外国との人の往来なしには存在できないのです。

この病気は、人々の心の中にあった差別やエゴを白日のもとにさらけ出しました。自由に国境を越え、異なる国籍、文化的背景を持つ人々と、わだかまりなく交流できる社会が、いかに脆弱な基盤の上に築かれていたかを痛感いたします。私たちが日々の暮らしを営む地域社会と、世界諸国はひとつながりに結ばれています。その一方で私たちの心はまだ小さな分断の壁を崩せないでいます。この問題をどのようにしていけばよいでしょうか。

皆さんは、東亜大学のキャンパスで、多様な出自をもつ人々と交流を重ね、友人となる機会を得ました。友はかけがえのない財産です。利益にとらわれない人間関係や、様々な分野にネットワークを広げることは、自身の成長の糧となるだけでなく、社会生活のうえでも良い影響を与えることでしょう。人間資本は、これからの時代のもっとも重要な要素となっていくことでしょう。グローバリゼーションの進行とともに、強さをました保守主義、自国優先主義を克服する鍵は、自らを相対化してみる客観性と、他者への信頼にあると考えます。これらを涵養するのは、結局のところ、友人との関係を通じて育んだ個人的な信頼関係の輪を拡張していくことに他なりません。東亜大学で得た友人を一生の友として大切にしてください。

東亜大学での勉学を通じて、皆さんは多くのものを手に入れたと確信しています。目標としていた資格や免許をめでたく手に入れた方も多いことでしょう。しかし、学びによって獲得される力は、単なる知識や技術にとどまりません。困難な問題に直面したとき、感情的で反射的な対応にはしらず、問題を解決可能な単位にばらし、知性と論理、さらには豊かな感性によって解決策を模索することが求められます。その力の基盤となる素養を、今日、本学を巣立つ皆さんは身につけられています。

今後も学び続けることによって、物事の本質を見極め、複眼的に物事をとらえる力をさらに成長させてください。そして将来は次代に先駆け社会を変革する、課題意識と情熱、行動力を有した人材に成長してください。

健康に気をつけて、大いにご活躍されることを心から祈っています。卒業しても東亜大学とのきずなが切れることはありません。支えを必要とするときは、このキャンパスに帰ってきてください。私たち教職員一同は、これからも皆さんを応援していきます。