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崔吉城教授「国基研 日本研究特別賞」を受賞


国家基本問題研究所(理事長:櫻井よしこ)より、国際交流学科の崔吉城教授が2017年に刊行した「朝鮮出身の帳場人が見た 慰安婦の真実―文化人類学者が読み解く『慰安所日記』」(ハート出版)に対して、「国基研 日本研究特別賞」が授与されました。


選考委員である髙池勝彦氏の講評は次の通りです。


第二次大戦中の日本軍の慰安婦とは何かについて、慰安婦が性奴隷であるのか、公娼類似の存在なのか政治的論争が続いているが、論争よりも慰安婦の実情を知ることがもっと重要である。性奴隷を主張する者は、実態を無視して元慰安婦の手記などもいくつか発表されている。平成12年(2000年)ころ、韓国の私設博物館が古書店を通じて、ビルマ(現ミャンマー)やシンガポールで、慰安所の帳場人をしていた人の膨大な日記を購入した。平成25年(2013年)8月、この日記を、安秉直(アンビョンジク)ソウル大学名誉教授が韓国語に翻訳して出版し、同じ年、その韓国語訳文からの日本語訳がネット上に掲載された。

日記は、ハングルと漢字のほかに、日本語の片仮名や平仮名が入り混じって書かれており、韓国語訳本とは多少内容が異なるとのことである。本書は、著者が、原文を読み解き、文化人類学者としてさらに日記の著者の勤務先、即ちミャンマーやシンガポールの現場を訪ねて、日記を分析したものである。著者には、朝鮮戦争関連で、戦争と性に関するいくつかの論文があり、本書はそれらの研究と対をなすものであるという。極めて客観的公平な分析である。「韓国は慰安婦問題を政治的なカードにすべきではない」というのが結論である。 かつて林房雄が日本の戦争を100年戦争と呼ぶべき長い軋轢の中でとらえたのと同じ、フェアで奥深い歴史観がストークス氏の作品を支えている。そのような歴史観に基づいたストークス氏の考察に、深く注目するものである。

(講評 選考委員 髙池勝彦 国基研副理事長 弁護士)
 

【選考委員】
委員長 櫻井よしこ 国家基本問題研究所理事長
副委員長 田久保忠衛 同副理事長・杏林大学名誉教授
伊藤隆 東京大学名誉教授
平川祐弘 東京大学名誉教授
渡辺利夫 拓殖大学学事顧問
髙池勝彦 国基研副理事長・弁護士