• イベント
  • 心理臨床・子ども学科

織田涼准教授|「日本心理学会優秀論文賞」受賞

心理臨床・子ども学科の織田涼准教授が筆頭著者を務める論文「Positive and Negative Affects Facilitate Insight Problem-Solving in Different Ways: A Study with Implicit Hints」が公益社団法人日本心理学会の2020年度優秀論文賞に選ばれました。

公益社団法人日本心理学会は、心理学の進歩普及を図ることを目的として1927年に創立された全国規模学会で、心理学の総合学会では最も歴史のある学会です。

会員数はおよそ8,000名で、4年制大学の心理学または心理学関係の学科・専攻等を卒業した者、認定心理士資格を有する者、心理学または心理学関係の大学院の課程に在学もしくは修了した者、4年制大学に卒業後2年以上心理学に関連する研究または業務に従事している者、研究者で修士以上の学位またはそれと同等以上の十分な研究経歴を有しかつ心理学に関連する研究または業務に従事している者しか入会できない権威ある学会でもあります。


今回、織田涼准教授が受賞した優秀論文賞は日本心理学会の機関紙「心理学研究」および「Japanese Psychological Research」に前年度掲載された論文から、学会に対して特に大きな貢献を果たしたものが選ばれます。

受賞論文は、洞察問題(解の発見時に閃きの感覚をともなう問題)の解決に感情状態が及ぼす影響を調べたものです。

洞察問題解決では、解決者本人ですら気づいていない無意識の認知過程において、外界から有用な情報が受け取られ、それを手がかりとして利用しながら新しいアイデアの探索が行われます。論文に記載された二つの実験では、この潜在的な手がかりの利用が、「楽しい」といったポジティブな感情によって促進されという仮説が検証され、それを支持する実験結果が得られました。ポジティブ感情の喚起が注意の拡散を促し、内的思考を外的な情報に結び付けられやすくなったためと考えられます。

加えて、ネガティブ感情の喚起は、手がかりの有無にかかわらず、洞察問題の解決を促すことも明らかになりました。ネガティブ感情によって思考が精緻化されたためと考えられます。これらの知見は、創造的思考の潜在過程の特徴について一定の示唆を与えるものであり、認知心理学および認知科学の進展に一定の貢献があると評価されました。

授賞式はコロナウイルス感染症拡大の影響で中止され、代わりに学会ウェブサイト内に特設サイトが設けられました。


◆論文の詳細

Orita, R., & Hattori, M. (2019). Positive and Negative Affects Facilitate Insight Problem‐Solving in Different Ways: A Study with Implicit Hints. Japanese Psychological Research, 61(2), 94-106